あなたもできる!片頭痛解消のための2つの方法

ブログ

大規模な疫学調査によると、片頭痛に悩まれている方は、全国で約1,000万人もいるとのことです。
主に女性に多いとされている片頭痛ですが、近年では研究もすすみ、個人でできる対処法もいくつかあるようです。

今回は、片頭痛の発生原因・メカニズムについて紹介するとともに、個人でできる片頭痛の対処法についてまとめてみました

なお、内容をまとめるにあたっては、頭痛」治療の世界的名医 坂井文彦氏(埼玉国際頭痛センター長)の著書『「片頭痛」からの卒業』、ならびに日本頭痛学会の記事などを参考にしました。

片頭痛のセルフチェック

まずはあなたの頭痛が片頭痛がどうか、下のセルフチェックを元に調べてみましょう。

片頭痛のセルフチェック

この3か月間に、あなたの頭痛には次のような特徴がありましたか?

1. 頭痛があったとき胃の不快感や気持ち悪さがあった
2. 頭痛のとき光が嫌だと感じた
3. 頭痛により仕事や勉強、もしくはやらなければならなかったことが1日以上できなくなったことがある
4. 頭痛の時、普段より「におい」に敏感だと感じる

判定:3つめまでですべて「はい」なら90%、4つすべて「はい」なら95%の確率で片頭痛とされます。

いかがでしたか?
当てはまらないようであれば、他の頭痛の可能性もあります。
片頭痛も含め、代表的な3つの頭痛のセルフチェック法については下の関連記事にも書いてあります。必要であれば参考にしてみてください。

あなたの頭痛はどれ?代表的な3つの頭痛のセルフチェック法

片頭痛はどうして起こるか

ここでは、片頭痛がどうして起こるのか、その原因とメカニズムについてまとめていきます。

脳内セロトニンの減少が要因

片頭痛の発生メカニズムにおいて、頭痛発生の直接的要因は、脳内のセロトニンの減少にあるとされています。

セロトニンは、カラダが感じる痛みのコントロールや血圧・脈拍の調整に関与している物質です。
不安感を抑え、心を安定させる働きがあります。
そして、セロトニンの分泌が減少すると、血管が拡張することがわかっています。

脳から分泌されるセロトニンが不足して、脳内の血管が拡張することで片頭痛が発生します。

セロトニンを減少させる要因とは

精神的ストレスや生活リズムの変化などが、セロトニンの消費と枯渇を引き起こすとされています。

片頭痛発生のメカニズム

片頭痛のメカニズム

片頭痛発生の発生のメカニズムを簡単に解説すると次のようになります。
1.体のリズムや環境の変化
生活リズムの乱れ、日常生活でのストレスなど、カラダのリズムや環境の変化が発生

2.セロトニンの消費と不足
変化に対応しようと、セロトニンが過剰に消費され不足します。

3.三叉神経が興奮
脳の血管のそばにある三叉神経が興奮します。

4.CGRP放出
興奮した三叉神経はCGRPという物質を放出します。

5.周囲の血管の拡張・炎症
CGRPは周囲の血管を拡張させ、炎症を生じます。

6.片頭痛発生
血管の拡張・炎症は痛みを生じ、片頭痛が発生します。

個人でできる2つの片頭痛対処法

ここでは、個人でできる片頭痛対処法について2つ紹介します。
いずれも、日本頭痛学会で推奨されている方法となります。

頭痛ダイアリーをつける

頭痛ダイアリーは下記リンクからダウンロードできます。
>>頭痛ダイアリーダウンロード

頭痛ダイアリーは、頭痛が起こった日時・痛みの性質、薬の服用などを記録するものです。
記録し続けることによって次のようなメリットがあります。

受診の際、医師に頭痛の情報が伝わりやすくなる

受診の際にダイアリーを持参することで、頭痛の頻度・性質などが医師に伝わりやすくなり、より適切な診断・処方の助けとなります

頭痛の原因の推定、対策に役立つ

ダイアリーをつけ続けることで、自身の頭痛の傾向が見えてくることがあります。

例えば、天気の変化と頭痛が連動する傾向がある。週末に頭痛が頻発する傾向があるなどです。
このように傾向が見えてくることにより、自身での対処法が見つかる場合があります

例えば、ある方はダイアリーをつけていて、休日の午後に片頭痛が起こりやすいということに気づきました。
平日の疲れをとろうと、休日は昼近くに起きるというようにしていたのですが、それがかえって生活リズムを崩していたのです。
その後、あえて自分が楽しめる予定を休日の午前中に取り入れて、起床時間を平日に近づけるようにすることで頭痛の頻度が減少しました。
このような例が『片頭痛からの卒業』には書かれています。

頭痛体操をする

もうひとつ、日本頭痛学会で推奨されている対処法が「頭痛体操」です。
頭痛体操のやり方の説明については下記リンクからダウンロードできます。
>>頭痛体操のやり方ダウンロード

片頭痛発作が増えると、脳の中に「痛みを記憶する回路」のようなものが形成され、それが首の後ろにまで伝わり、痛みのしこりを作ります。
頭痛体操は首の後の筋肉をほぐし、「痛みを調節する脳のはたらき」に良い刺激を送ります
そのため、片頭痛予防に役立つとされています。

それほど難しい内容の体操ではないので、片頭痛に悩まれている方は、ぜひ取り組んでみてほしいと思います。

その他にも、「痛みを調節する脳のはたらき」を刺激する方法として、鍼や運動、ヨガもよいと『片頭痛からの卒業』では紹介されています。こちらも参考にしてみてください。

セロトニンを活性化する方法

上で述べたように、片頭痛発生にはセロトニンの不足が関与しています。
ここでは、セロトニンの活性化に役立つとされている方法をいくつかご紹介します。

フィンランド国立自然資源研究所によると、街中の公園・森林公園で30分散歩するなど自然の中で過ごすことにより、α波が増え、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、セロトニンが活性化するということです。

また、バッハ・モーツァルトなどのクラシック音楽も、α波を増やし、セロトニンを増やす効果があるとされています。

その他にも色々と方法があるようなので、興味がある方は検索してみてください。

まとめ

片頭痛はひどいときには寝込んでしまうほどつらい症状です。
対処薬としては「トリプタン」がよく用いられ効果もありますが、自分でできる対処法を加えることも有用なようです。

頭痛ダイアリーで頭痛の傾向を把握して生活環境を整える。
元気なときに頭痛体操に取り組んで片頭痛を予防する。

お悩みの方はこの2つも、ぜひ試してみてください。

もっと詳しく知りたい方へのリンク

>>片頭痛は治る–世界的名医が解き明かす痛みの正体と正しい治療法