急性腰痛に安静は必要か?

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今回は、『急性腰痛に安静は必要か?』というテーマで解説していきたいと思います。
内容については、日本整形外科学会・日本腰痛学会監修の「腰痛診療ガイドライン2019」(現時点で最新版、以下「ガイドライン」と記載)に準拠して述べています。

急性腰痛とは

症状が起きてから4週間未満の腰痛を「急性腰痛」と呼びます。
いわゆるぎっくり腰などで、症状が起こって間もない時期がこれに当たると言えます。

 

腰痛の分類
腰痛は発症からの「時期」に応じて次の3つに分類されます。
・4週間未満:急性腰痛
・4週間以上3か月未満:亜急性腰痛
・3か月以上:慢性腰痛

したがって、原因がぎっくり腰でも3か月以上たったものは「慢性腰痛」と分類されます。

 

安静は必要か?

ぎっくり腰のなり始めなど、急性腰痛の場合、ガイドラインでは安静よりも活動性を維持することを推奨しています。
その方が、痛みの軽減、機能回復の面で優れ、病欠期間も短縮されるとされています。

一方で、脚への痛みなどを伴う「坐骨神経痛」を伴う急性腰痛については、安静にした場合と活動性を維持した場合の間に違いは見られませんでした。

このように、急性腰痛の場合には、安静よりも動いていることが有用とされています。

 

運動療法は必要か?

では、急性腰痛の際、ストレッチや体操など運動療法も、積極的にした方が良いのでしょうか?

ガイドラインでは、この時期の積極的な運動療法については効果を認めていません。

ストレッチや体操など、運動療法を発症間もない時期にあえて積極的にすることは意味がないと考えて良いようです。

 

結論

以上で述べてきたように、急性腰痛の場合は

  • 可能な限り「通常通りの生活」を心がけて体を動かす

ということがベストと言えそうです。