当院では「カラダ全体を細かくていねいにケアすること」をコンセプトに整体・整骨を行っています。
足の先からあたまのてっぺんまで施術していくわけですが、その施術の一手一手全てに意味があり、何らかの意図をもって行っています。
それらを全て伝えながら施術したいという思いもないわけではありません。ただしそうなると、僕は施術中にずっと喋り続ければなりませんし、それではクライアントさんの方もリラックスできないと思います。
なので、実際は、所々で今やっていることの意味を説明を加えるのみで行っています。
一方で、当院の整体・整骨の内容についてもっと知ってもらう場も設けたいと、以前から考えていました。
ですので、このブログという場を通じて少しずつですが、『当院の整体・整骨の施術ポイント』について解説していきたいと思います。
シリーズ1回目の今回は、アキレス腱。
当院では、アキレス腱はどんな症状で重視しているのか、またその理由などを解説していきたいと思います。
アキレス腱の調整を行う症状は?
当院では、整体・整骨を受けられるほぼ全ての方に対して、アキレス腱のねじれや硬さをチェックしています。
その中でも次のような症状をお持ちの方に対しては、特に入念にチェック・調整を行います。
- ふくらはぎの違和感や痛み
- ももの裏側などのハムストリングスの違和感
- 腰痛
- 背中の痛みや張り感
- 首のこり
このような症状をお持ちの方に対しては、アキレス腱や足首のねじれをチェックして調整します。また、触ってみて硬いようであれば、緩めるように手技を行います。
どうしてアキレス腱なのか?
では、どうしてアキレス腱を施術するのか。
一言でいえば、
アキレス腱の硬さやねじれは背中全体に影響している場合があるから
というのがアキレス腱を施術する理由となります。
ここでは、その概念や理由をさらに詳しく、お伝えしたいと思います。
先ほど5つほど挙げた、ふくらはぎや腰痛などの症状の共通点は何か、わかるでしょうか?
答えは、
全てカラダの背中側が関係する症状である
ということです。
カラダの背面は足から頭までつながっている
人間のカラダの背中側は、解剖してみると、足から頭まで『筋膜』という膜でつながっています。
この「筋膜」は複数の筋肉の表面を包み込む膜となります。
筋肉は、筋膜といういわばストッキングまたはボディスーツ的なもので長く帯状に包み込まれています。
このように、いくつもの筋肉が筋膜で包まれて帯状につながっている。
この帯状を「ライン」と呼びますが、人体にはこのような「ライン」が複数あります。
そのラインの一つに、スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)と呼ばれるラインがあります。
引用:「アナトミートレイン」P82 医学書院
上記の図のように、SBLは足の底から額まで、筋膜によって、ひとまとまりにつながっています。
このように、人間のカラダの背面は足から頭まで『筋膜』でつながっています。
筋膜の硬さやねじれは遠くに伝わる
先に述べたように、筋膜はストッキングのようなものでいくつもの筋肉を包んでいます。
筋膜の硬さやねじれはこの膜をつうじて遠くに伝わります。ここでは、そのことをタオルを使って模式的に伝えたいと思います。
このように、筋膜の一部の影響は、他の離れた部分に伝わる場合があります。
背中側の症状にアキレス腱を使う理由
ここまで述べたように、
- カラダの背中側は『筋膜のライン』で一つにつながっている。筋膜のある部分の硬さやねじれは、離れた部分に影響を与える場合がある。
そして
- 人体の背面には足から額までつながる筋膜のラインがあり、アキレス腱の硬さやねじれは背中側の症状に影響を与えている場合があるので、そこを調整する。
というのがアキレス腱を施術する理由のより細かい説明となります。
アキレス腱をどのように調整しているか
ここからは、アキレス腱をどのように調整しているかを簡単に説明したいと思います。
アキレス腱の調整は、片手で踵を持ち足の位置を理想的な角度に誘導するとともに、もう片方の手で、楽器の弦を弾くようにアキレス腱に刺激を数回、入れていきます。
そうすると段々とアキレス腱が本来の弾力に近づき、柔らかくなってくるので、程よいところで調整終了となります。
男性の方がアキレス腱が固い場合が多く、1回の施術で理想の弾力にならない場合もありますが、こだわりすぎず、ほどほどの刺激で終わらせるようにしています。
まとめ
ギリシャ神話の英雄であり、無双の力を誇ったアキレス。そのアキレスですら弱点となった部分がアキレス腱でした。
現代人にとってもウイークポイントであるのではもちろんですが、アキレス腱は、カラダをケアするためにもとても大事なポイントとなっています。