今回は、代表的な3つの頭痛
- 片頭痛
- 緊張型頭痛
- 群発頭痛
のセルフチェック法について紹介します。
内容は「頭痛」治療の世界的名医 坂井文彦氏(埼玉国際頭痛センター長)の著書『「片頭痛」からの卒業』、ならびに日本頭痛学会の記事を参考にまとめてみました。
頭痛の種類によって悪化する要因、適切な対処法は異なります。
自分の頭痛がどのタイプなのかしっかりと把握して対処していきたいものです。
片頭痛のセルフチェックリスト
ここ3ヶ月の間に、あなたの頭痛には次のような特徴があったかチェックしてみてください。
- 頭痛があったとき胃の不快感や気持ち悪さがあった
- 頭痛のとき光が嫌だと感じた
- 頭痛により仕事や勉強、もしくはやらなければならなかったことが1日以上できなくなったことがある
- 頭痛の時、普段より「におい」に敏感だと感じる
判定基準:3つめまでですべて「はい」なら90%、4つすべて「はい」なら95%の確率で片頭痛と判断されます。
片頭痛について
片頭痛は脳の血管が拡張することで発生します。
このため、特徴のひとつとして「おじぎ」の動作で悪化するという特徴があります。
原因は、痛みのコントロールや血圧・脈拍の調整に関与するセロトニンという物質の分泌減少にあるとされ、体のリズムやストレス・気圧などの環境の変化が誘因となります。
治療法としては、脳の血管の拡張を元に戻して片頭痛の症状を抑えるトリプタン系の薬剤が代表的です。
個人でできる対処法としては
- 頭痛ダイアリーで誘因を把握して対策を考えること
- 頭痛体操
が推奨されています。
≫頭痛ダイアリーについてはこちら
≫頭痛体操についてはこちら
緊張型頭痛のセルフチェックリスト
以下の項目のうち、あてはまるものがいくつあるかチェックしてみてください。
- 頭の両側が痛む
- 締め付けられるような、圧迫されるような痛み
- 寝込むほどの痛みではない
- 歩行、階段を上がるなどの動きで頭痛がひどくなることはない
- 頭痛の時に吐き気はない
- 頭痛の時光を過敏に感じること、音を過敏に感じることは両方ない、または片方のみ
判定基準:1~4までのうちあてはまる項目が2つ以上あり、かつ5・6のどちらにもあてはまる場合、緊張型頭痛と判断されます。
緊張型頭痛について
緊張型頭痛は、頭から首・肩の筋肉が緊張することで発生するとされています。
原因としては、長時間のPC操作などの身体的ストレスならびに精神的ストレスが誘因になっているとされます。
治療法としては、鎮痛薬を用いることが中心となります。
個人でできる対処法としては
- マッサージや入浴で血行を促すこと
- 頭痛体操
が推奨されています。
群発頭痛のセルフチェックリスト
以下の項目のうち、あてはまるものがいくつあるかチェックしてみてください。
- ある時期に集中し、1~2か月にわたって毎日のように1~2時間の頭痛が起こる
- その時期は1年に1~2回のこともあれば、2~3年に1回のこともある
- 明け方のほぼ決まった時間に起こることが多い
- 片方の目の奥が「えぐられる」ように激しく痛む
- 痛む側の目が充血し、涙が出たりすることが多い
- 痛む側の鼻がつまり、鼻水が出ることがある
- 頭痛の最中は痛みでじっとしていられない
- 群発期は、アルコールを飲むと必ず頭痛が誘発される
判定基準:あてはまる項目が3つ以上で群発頭痛と判断されます。
群発頭痛について
群発頭痛は、ある期間に集中して目の奥をえぐるような強い頭痛が起こるという特徴があります。片頭痛が女性に多いのに対し、男性に多くみられる傾向があります。
原因としては、視床下部の異常、内頸動脈の拡張と周囲の炎症が関係していると考えられていますが、詳しいメカニズムはわかっていません。
治療法としては、トリプタン系の薬剤、純酸素吸入法が中心となります。
個人でできる対処法としては
アルコールが誘因となることが多いので
・症状が出ている期間は飲酒をしないこと
が推奨されています。
上の3つにあてはまらないとき
上の3つのいずれにも当てはまらないときは、二次性頭痛の可能性もあります。
二次性頭痛とは、頭の痛みの原因が別の病気にある場合の頭痛です。
例としてはこんな疾患が挙げられます
- 副鼻腔炎や中耳炎
- 緑内障
- 大後頭神経痛
- 脳出血や脳腫瘍
- くも膜下出血
などになります。
まとめ
ここまで、代表的な3つの頭痛のセルフチェック法と対処法について、簡単にまとめてきました。
最後に述べたように、頭痛には別に原因があって症状が出る場合もあります。
ですので、今回をチェックリストはあくまで参考程度として、最終的には安易に自己判断せず、対応していただければと思います。