「整体院」と異なり「整骨院（接骨院）」では、健康保険が使える場合があります。
整骨院で保険が使えるのはどのようなときか、ここでは解説していきます。
保険を使えるのはどんなとき
整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫（いわゆる肉ばなれを含む。）の施術を受けた場合に保険の対象になります。
なお、骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。
上記のように、整骨院では、「骨折・脱臼（緊急以外は要医師同意）」、「打撲・捻挫（挫傷）」の際には健康保険を使うことができます。
保険が使える範囲は広くない！
整骨院では、上で述べたように、骨折・脱臼、打撲・捻挫（挫傷）に対しては保険が使えますが、逆に言えばその４つしか健康保険が使えません。
「保険が使える」というと、病院と同様のイメージで、神経痛や慢性痛なども含めて幅広く適用されると思っている一般の方も多いのですが、実際には割と限定されている点に注意が必要です。
具体的にどんなときに保険が使えるのか？
ここまで、整骨院で保険が使える場合について「制度的に」見てきました。
ここからは、
「自分の症状は、整骨院で保険が使えるのか？」と疑問に思っている方のお役にたてるように、保険が使える条件について具体的に挙げていきたいと思います。
骨や筋肉、関節のケガや痛みで、原因がはっきりしていること
保険が使える条件の一つ目は、原因がある痛みやケガであるということです。
例えば、日常動作やスポーツ中に、すべった、転んだ、ぶつけたなどで急に痛みが出た時や、屈んだり、捻ったりした際に痛みが発生した場合などが挙げられます。
また、何度も同じ動作を繰り返すことで関節や筋肉に痛みが出た場合も対象になります。
例えば、階段の昇り降りを繰り返して痛めた、長時間フライパンを片手で持って調理して痛めたなどが挙げられます。
仕事中や通勤途中、交通事故によるケガでないこと
仕事中・通勤途中のケガは労災保険、交通事故によるケガは自賠責保険の適用となり、医療保険は使えないのが原則です。
病院などで治療中のケガでないこと
病院や診療所など他の保険医療機関で治療中のケガについては、保険が使えません。
しっかりと原因を伝えよう
以上が、整骨院で保険が使える条件となります。
上記のような症状で、保険を使って整骨院にかかりたいという方は、問診時に原因をはっきりと伝えるようにしましょう。
整骨院で保険が使えない場合
一方、整骨院で保険が使えない例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 疲労回復、慰安、癒しを目的としたもの
- 変形性膝関節症、肩こり、五十肩などの慢性疾患
- 神経痛、ヘルニアなどケガではない病気からくる痛みやこり
などとなります。
判断に迷う時は早めに整骨院で相談を
ここまで、整骨院で保険が使える場合、使えない場合を見てきましたが、一般の方には判断が難しい例も実際にはよくあります。
例えばこんな例もあります。
・「朝から腰が痛い」という理由で来院。あきらかに腰椎捻挫（ぎっくり腰）の症状、所見だが、本人には原因が思い浮かばないケース
（よく聞いてみると、前日夕方、車を降りようと屈んだ後から、腰に違和感を感じていた）
・本人は「五十肩の痛み」と言っているが、検査をしていると痛みの元が肘周辺の健の損傷であったケース
（よく聞いてみると、前日長時間、庭の草むしりをしていた）
このように、本人に原因の自覚がなくても、整骨院での細かい問診・検査によって保険適用であることが判明することも、実際には多々あります。
このような場合もあるので、健康保険が使えるかどうか判断に迷う場合は、整骨院に行ってまずは相談されることをお勧めします。
（相談の結果、保険がつかえない場合でも、症状のケア自体は自費で可能である場合もあります。自身のカラダのケアのためにも、整骨院を有効活用されることをお勧めします。）
また、ケガの発生からある程度時間が経つと、健康保険の方が保険適用を認めないというケースもあります。
（そうなると後日、自己負担が生じる場合もあります。）
このようなことを避けるためにも、痛みが生じてから、できる限り早めに整骨院に行くことをお勧めします。
まとめ
ここまで、整骨院で保険が使える場合について解説してきました。
健康保険で整骨院を受診することは、保険料を納めている方の「権利」のひとつでもあります。対象となる症状の場合は、ご自身の健康のためにも、賢く積極的に利用していくと良いでしょう。
参考：