「行ってはいけない施術所の見分け方」をレビューしてみた

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プレジデント社のビジネス総合誌『プレジデント』2019.11.15号に
「特集-整形外科、はり、整体、カイロ…なぜ治らないか?
腰痛、ひざ痛、関節痛-治療のウラ側」
という特集が掲載されていました。

なかなか興味深い内容でしたので、今回はその内容の一部を紹介するとともに、当事者側として感じたことを書いてみたいと思います。

「行ってはいけない施術所」の見分け方


一般の方にとってはもちろんですが、当事者としても気になる内容と思われたのが、
・整骨、鍼灸、整体、マッサージ…『行ってはいけない施術所』の見分け方
という記事でした。
その中では、「こんな施術所には注意!」という見出しで以下のようなことが書いてあります。

こんな施術所には注意!
「なぜ?」の質問に答えてくれない
痛みの原因を一点で説明する
医療機関での検査を勧めない
資格免許証を掲示していない
口コミサイトに口コミが多すぎる
(『プレジデント』2019.11.15号 30P)

どうでしょうか?

筆者個人としては、これに加えて
・「セラピスト募集」と書いた掲示を店頭・店内に貼っている
これも挙げたいところです。

ここからは、それぞれの項目に対して、その記載内容を説明するとともに、それに対する筆者なりの感想・考えを書いていきたいと思います。

 

「なぜ?」の質問に答えてくれない

ちゃんとした知識があれば、痛みや体の構造について明快に回答してくれるはずだから
という理由でこの項目が挙げられています。

この項目はある意味正しいとは思うのですが、個人的にちょっと違うと思う面もありますので、その点を書いていきたいと思います。

「なぜ?」の質問をこちらから最初に聞く必要はない

第一に、初回の時に、ある程度検査などをして施術に入る段階か、もしくは施術終了後に、

  • どのような点がつらさの原因になっている可能性があるのか
  • どのような方針で施術を行うのか(行ったのか)
    をこちらが質問しなくても、説明してくれることが、普通の施術所として当たり前だと私は思います。

この点について、施術前・中・後、いずれの段階にも全く説明がない施術所は、特に方針もなく決められた手順・マニュアル通りに施術しているだけという場合もあり要注意です。

はっきりと原因を断言しすぎる場合も要注意

第二に、本当に知識のある施術家は、様々な原因の可能性を知っています。
知っているからこそ、慎重に施術方針を検討して、検査や施術を行い、体全体をみて、次の一手を組み立てていきます。
(いわば「PDCAサイクル」のような感じで施術を行います。)

このような場合は、最初の問診の段階で「なぜ?」と聞いても、たくさんの知識があるゆえに、幾つかの可能性は挙げるにせよ、明快に一つの原因を断言しないことが普通だと私は思います。

逆に、問診や骨盤や背骨をちょっとチェックしただけで、「あなたの痛みは○○が原因です」と明快に断言する施術者は、真の『ゴッド・ハンド(神の手)』かもしくは知識の少ない『マッド・ハンド(狂気の手)』のどちらかと思った方が良いでしょう。
(おそらく9割以上は『マッド・ハンド』だと思いますが…)

筆者の見解

ここまで述べてきたように、

  • 「なぜ」の説明が最後まで一切ない施術所
  • 逆に早々に「なぜ」を明快に答えてくれる施術所
    は要注意であり、
  • こちらが聞かなくても「なぜ」を説明してくれる施術所
  • 「なぜ」に対して様々な可能性を挙げてくれる施術所
    が良い施術所であるというのが筆者の見解となります。

 

痛みの原因を一点で説明する

あらゆる症状の原因を「背骨の歪み」などの1点で説明する術者は、不勉強で、全身を観察せずに原因を決めつけている可能性がある
ということでこの項目が挙げられています。

施術所のHPやブログなどで「○○の痛みは××が原因!」などと、断定口調で書かれているのがまれにあります。
このような所は要注意ということかと思います。

上記の「はっきりと原因を断言しすぎる場合も要注意」の項でも書いたことですが、知識のある施術家ほど、原因を安易に断言することはせず、様々な可能性を考えるものだと私は思います。
ですので、痛みの原因を一点で説明するような施術所は、やはり要注意だと私も思います。

 

医療機関での検査を勧めない

客観的数値に頼らず、施術所の中だけで完結しようとしている
ということでこの項目が挙げられています。

「任せてください」「大丈夫です」などと安易に安請け合いする言動が目立つ施術所は要注意ということかと思います。

勉強している施術者は、自分の技術でできること、できないことをしっかりと見極めています。
血液検査、レントゲン、エコーなど、病院でしか把握できない項目があることもちゃんとわかっています。

経験を積んでくると、臨床の中で『これはちょっと普通と違うな』と感じることもできるようになり、適切な時点で、病院での検査を勧めることが普通です。
ただし、どの時点で病院での検査を勧めるかは状態によって異なると思います。

骨折の可能性など緊急性の高いものについては、初診時にすぐ病院に行くように勧める場合もあります。
一方で、様々な可能性を推定したうえで、ある程度施術の回数を重ねてみてから、経過が通常と異なる場合に、検査を勧めるという場合もあります。(頻度としてはこちらの方が多数です)
ですので、初回で検査を勧めないから「悪い施術所」と決めつけるようなことは、当事者としてはちょっと違うと感じます。

通院する側も、施術所の限界という点についてはしっかりと認識しておくべきだと思います。
特に検査についてはできることが限定されているので、わかることには自ずと限界があります。
重い症状のときはまず病院に行ってみる。しばらくして改善しないとき、徐々に悪化してきているときは一度検査を受けてみるなど、通院する側も安易に依存せず、様々な可能性を意識するようにしていただければと思います。

 

資格免許証を掲示していない

今回の記事では

  • 良い施術所はHPで院長のみならず、スタッフの顔や名前、資格も公開しているのでそれをチェックすべき
  • ○○協会認定、○○式療法などの肩書は玉石混交で確証は得られない
    というようなことが書いてあります。

人のカラダを施術するにあたっての最低限の知識と技術を示すのが免許証となります。
個人で経営していて、これを掲示していない院はあまりないと思いますが、注意すべきは記事にも書いてあるようにスタッフがたくさんいる院かと思います。
自分を担当する人がどのような資格を持っているのかという点は、知っておくべきかと思います。

また、これに関連する筆者独自の見解ですが

  • ○○式療法などの免状、修了証などを多数誇示している施術所
    これも注意すべきかと思います。

どのような流派の手技療法でも、真っ当な療法であれば、人のカラダをしっかりケアしていくためには、ある程度の長さの経験が必ず必要になってきます。
ですので、施術者がまだ若いにも関わらず、免状などを多数、額に入れて掲示しているようなケースでは、知識としては本当なのかもしれませんが、技術としてはどうなのかと感じてしまいます。

いずれにしても、施術所選びに置いては、免許を含めて、資格・肩書はあくまで参考程度にして、肩書をあまり重視しない方が賢明かと思います。

 

口コミサイトに口コミが多すぎる

にぎわっていないのに高評価のレビューが多すぎるものは、サクラの可能性が疑われる
ということでこの項目が挙げられています。

自然な口コミ件数は、一般的には来客数に比例するはずであり、商圏規模、事業規模にも比例するはずです。
周辺の同規模他店に比べて不自然に口コミが多いのは確かに不自然さが際立ちます。

このような場合は口コミの内容をざっと見てみるのも一つの方法です。

  • 同業知人からの口コミ
  • 施術者のプライベートにやたら詳しい口コミ(=知人?)
  • 全国各地の同一系列店ばかり評価している投稿者からの口コミ(=サクラ?)
    などが、割とよくみられます。

また、「口コミを書くと〇千円の割引券を差し上げます」というようなプロモーションを行って口コミを集めているところも中にはあるようです。

この辺りは、通販サイトなどでもよくあることであり、まずは口コミの数・内容を鵜呑みにしないということが、施術所選びの際にも賢い消費者としては求められるところです。

 

番外編:「セラピスト募集」と書いた掲示を貼っている

これは最初に述べたように、プレジデントの記事には載っていない、筆者独自の見解です。
いわゆる「リラクゼーション系・ほぐし系」の店舗の窓に、このような掲示が時々、貼ってあるのを見かけます。

これを見てみなさんはどう感じますか?

きちんとした技術・資格を持っている人を求人する場合は、店頭ではなくハローワークなどで募集するのが一般的です。

店頭にこのような貼り紙をするということは、“当店では素人も雇っています!”と公言しているようにしか私には見えません。

 

まとめ

今回は雑誌『プレジデント』の記事、「行ってはいけない施術所の見分け方」の内容についてシェアするとともに、筆者なりの見解を書いてみました。

実際に行ってみないとわからないことも多い施術所選びですが、この記事が皆様の参考になれば幸いです。