はり治療について

鍼灸(はりきゅう・針灸)とは、体の経穴(ツボ)を刺激することにより、様々な体の不調・症状の改善を図る伝統医療です。

昔の人は経穴(ツボ)の刺激により、気血水の流れを整えることで症状が改善されると考えていました。

現代科学の視点からは、外部からの刺激に対する生体の反射的作用・防御的作用を活用した治療法であると認識されています。その効果についてはWHO(世界保健機関)においても認定されています。

はり治療の効果

①血行改善、筋肉の緊張緩和

はり・灸の刺激により、周囲の血行が促進されます。また筋肉の緊張が緩和されます。

②鎮痛効果

患部の血行改善に伴い、痛みを生じる物質の停滞が解消されます。また、刺激により脳内で鎮痛物質が放出され痛みを感じにくくなります。

③自律神経バランスの改善

治療により副交感神経の働きを高めることができます。これによって過緊張・不眠症などの交感神経の働きすぎによる自律神経のアンバランスを改善します。

④免疫力の向上・内臓機能の改善

はり・灸の刺激により生体の防御作用が活性化し、リンパ球・白血球などの活動が活発になります。また、ツボを刺激することにより、内臓への反射作用を起こすことがあります。(体性内臓反射)これにより胃腸などの調子を整えます。

治療に使う「はり」について

使う「はり」の画像

治療に使用する「はり」は、上の画像のように無菌状態で包装されている物を使用直前に開封して使用します。

いわゆる「使い捨て」なので、衛生面でも安心して治療を受けていただけます。

はりの太さをつまようじと比較

使用する鍼の太さは0.16~0.25mm程度の太さとなります。

ちなみに、一般的に使用される注射針の太さが0.4~1.6mm、毛髪の太さがおよそ0.08mmとされています。

また鍼の先端は、刺す時に痛みを生じないように丸く加工されています。

上記のように細く加工されていますので、注射の時のような痛みはほとんどありません。

刺す深さは治療目的・部位により異なりますが、0.5~2cm程度の部分がほとんどです。

治療に当たっては、東洋医学的視点から選ばれたツボのほか、症状に関連した神経の走行・筋肉の構造・筋膜のつながりなどを現代医学の視点から考慮したポイントなどを併用します。

また治療部分に刺激を与えるため、微弱電流による鍼通電を行う場合もあります。

灸(きゅう)治療は、当院では現在行っておりません。近赤外線治療器によるツボの温熱刺激で代用しています。

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